CGアニメーション【Horizon(ホライゾン)】Animation Work Information (2009年製作)
CGアニメーション【Horizon(ホライゾン)】Animation Work Information (2009年製作)
森に住むリュートは森に生まれ、森を愛し、森と共に生きる人だった。
また、リュートは星を見る人でもあった。
星を見上げては祖先の記憶に思いを巡らせ、いつも長く対話した。
《作品について》
なるべくカットを排除して演劇舞台のプロセニアムのような、或は『紙芝居』のようなつくりのアニメーションに仕上げました。
以前自主制作した作品『Bolero』の続編的(内容は全く異なる)に製作を開始したもので、スタートから終了までほぼカットが無いのが特徴。
演劇の舞台は1幕、2幕と場面が変わりそれに伴い装置もかわります。
しかし小屋(劇場)自体の形は変化する事はありません。
われわれは(大半の)演劇を見るとき、プロセニアムというルールの中で『想像力を働かせて見ている』ことに気付かされます。
映画(または映像)という媒体が『ドラマ』に対して行使し得る魔法の1つに『瞬間移動(ワープ)』があげられると思います。
つまり『カット』。
これは演劇の舞台との大きな相違点だと思いました。
演劇においては時間の経過、季節の移り変わりなどは記録して見せる事は困難であり、そのかわりに表現する手法が使われると思います。
今回のアニメーション作品では、そういった『カット』という映像表現独特の技法を多用せずに、装置の移り変わり、それから『ホリゾント』の移り変わりなどで、どちらかというと演劇舞台に近い演出を実現したと思っています。
その昔、手塚治虫先生が出現される以前の日本の漫画というのは、コマ割りが紙芝居に近い作りであったと読んだ事があります。
そこに映画的なコマ割りの技法を積極的に取り入れたのが手塚治虫先生であり、現在の漫画文化の土台となったのだと。
特にこれらのことを先に意識して製作したわけではありませんが、思えば今回の作品は敢えて時代の流れに逆流するものであるかもしれません。
新しい刺激が次々に生まれ、育まれて行く中、時代を逆行する馬鹿が一人くらいいてもいいじゃないか、と思いました。
また、本作の声の出演は『語り』をはじめ、全ての役柄を一人の声優が担当しています。
上映予定
■2009年製作/アニメーション作品 ■Time/14分20秒