Elephant SANTIE 用語辞典
Elephant SANTIE 用語辞典
Dictionary
【バード】(Bird)
ティアナワンガにおける誘い手(いざないて)。突如どこからともなく現れては、その姿を見る全ての者達に知恵と発見をもたらす。
ここでの(Bird)とは、種としての呼称ではなく単体の名称を表す。種としてはいわゆる《鳥たち》と呼んでいる。
【ハ行】
【ナミダムシ)】(トリムカデ科)
涙の回廊内に巣を作っている生物で体長は約1m。この巨大な通路は、天井から滴る地下水の響きがまるで泣いているように聞こえるため『涙の回廊』と呼ばれているが、このナミダムシは何万年もここに住むうちに、羽根が透き通った涙の形に変化した。この羽根の形がナミダムシと呼ばれる由縁。
【涙の回廊】(passageway of tears)
洞窟の内部にある巨大な通路。天井から滴る地下水の響きが泣いているように聴こえる事に由来する。天井までの高さは約25m。長いトンネルの脇にはいくつもの横道があるが一度足を踏み込めば二度と戻る事が出来ないほどに入組んでいる。
SANTIE(サンティエ)他ジャングルに住むものは、洞窟の中へ入る事は滅多に無い。
おそらくは脱出不能の危険と、漆黒の闇に本能的に恐怖を感じ取っているものと思われる。
ナミダムシ(トリムカデ科)が巣を作っている。
【ナナイロテツカムリ】(Iron-Rainbow)
《鉄の虹》の異名をとるいわゆるカタツムリ。
殻はカルシウムと鉄分から形成されているため、通常のカタツムリと比べると殻がかなり固い。
また、殻と体表は濃度の高い動物性の油脂で覆われており、そのために虹色に光を反射する。
分布としては主に岩場。グレートウォール近辺や、洞窟近辺に見ることができる。ここは石灰岩、鉄鉱石などを多く含んでいるため、殻を成型する為の成分であるカルシウム、鉄分等を補うことが出来ると思われる。
【ナ行】
【トトスコス岬】(cape totoscos)
ティアナワンガの西南端に位置する岬。トトカナンガ洋(the totocananga Ocean)に面する。崖下には約50kmに及ぶ白銀の砂浜がつづいている。
彼らの大半はこの海の向こうを知らない。しかし我々自身がそうであるように、彼らもまた《この広さ》の中に自分たちだけであるはずはないと思っているかもしれない。
【洞窟】(worm hole)
別名:虫食い穴。ティアナワンガの随所に洞窟への入り口があり、地下で繋がる動脈の規模は計り知れない。
一説によれば深部に巨大な水脈があるといわれ、その為か洞窟の入り口付近は内部からの冷気を噴出していて、天然のクーラーにもなっている。
点在する洞穴は、高温度になりすぎるジャングルの気温を一定のレベルに保つのに一役買っているといえる。
【蝶】(Butterfly)
ティアナワンガに分布する蝶は全体で約3万種が生息しているとされている。
また、様々な民族や宗教で語られてきたように、伝承を持つ種類も少なくない。
あるときは《死の使い》であり、またあるときは《生の使い》であり。
古より、その美しくまた不器用に飛翔する様、誕生から死までの短い生命の時を見て、自分自身の一生を投影してきた結果なのかもしれない。
ティアナワンガの動物たちもおそらく同じようなことを連想していたに違いない。
■ハシズク(左)
(葉)(雫)。すなわち、飛ぶ様は葉に例え、翼の模様から水滴の粒を連想させることに由来している。動きは比較的鈍く、ティアナワンガの全域に分布する最もポピュラーな蝶と言える。
行動範囲としては樹の根付近など低い位置が多い。
■アオシロチョウ(右)
ティアナワンガ中央部に分布する蝶で、つがいで行動する珍しい種。求愛のダンスを踊るようなその行動から《コイヒビキ》とも呼ばれ、幸せを運ぶ蝶と信じられている。
行動の守備範囲は非常に広い為、予測不能な場所に現れる。
また、太陽の光を浴びるなどすることで翼が白く反射する。
【ティアナワンカス】(Tianawancus)
ティアナワンガに咲く草花の総称。多くがシダ系の植物である。その種類は10万種以上に及び数の測定は不能。
独特な渦巻きの形は、亜熱帯の温度や湿度を自分の体で調節/管理しようとするうちにこの形になったものと思われる。
【ティアナワンガ】(Tianawanga)
『地上のもの』『天空のもの』からなる太古のジャングル。むかしむかし、そのまた昔のおはなし。
【タ行】
【スコール】(Squall)
ティアナワンガのスコールとは、時には約3ヶ月続くこともある。この間、動物たちは活動を止め、静かに休養している。
突風を伴うこともあり危険も伴うが、それは同時に新しいことを発見するための『哲学の時』なのかもしれない。
【シンバニ・ヤン・バ・リゾルタ】Shimbani yam buah Rizolta
トトスコス岬(cape totoscos)の崖下に広がる白銀の砂浜。トトカナンガ洋(the totocananga Ocean)に面しており、全長約50kmにも及ぶ。
砂の粒子は極めて細かく、珊瑚礁から流れてくる珊瑚の粉の為、通常の砂浜よりも色が白っぽい。
またこの珊瑚礁は海の色を見事なまでの青に染めている。
様々な魚や生物が生息しており、【銀の王宮】と呼ぶ事もある。
シンバニ・ヤンバ・リゾルタ(Shimbani yam buah Rizolta)は【最後の楽園】を意味する。
【サンティエ】SANTIE
『地上のもの』にして大地の一人息子。
ティアナワンガの散策者。推定年齢300歳。まだ幼いため牙は長くない。
【サ行】
【クワンカウ・マー・ロヤル(ロイヤル)の樹】(Qwankaw-mha-Royal)
椰子科。別名王室の樹。
ティアナワンガに原生する植物の中でもっとも数の多い種。
幹に牙やツメ等で傷をつけると、傷口から栄養価が高い乳白色の樹液が出る。
SANTIEなどの大動物がこの樹に傷をつけた後には、コン・ブーという昆虫が集まってくることが多い。
ティアナワンガに生息する生物の大半が、少なからずこの樹の恩恵を受けているといえる。
【クヮンカウ・マー・カオワブの樹】(Qwankaw-mha-kaowavu)
ティアナワンガの象徴とも言うべき大木。森のほぼ中央に位置し、さらに太古の昔よりティアナワンガを見守りつづけている。
樹の上部はおそらく豊富な水分が蓄えられていて、ぷっくりと膨らんだ形になっている。
また最上部にはリスの一種であるビコーの住処となっているが、サンティエ他『地上のもの』の大半はこのことを知らない。
【グレートウォール】(GreatWall)
広大なティアナワンガのジャングルの端に位置する大きな岩の壁。
無数の巨大な岩からなるこの壁だが、一つの岩は幅、高さにおいて100mを超すものもある。
無論、『天空のもの』以外のいかなる生物も、この巨大な壁の向こう側を知るものは無い。
ティアナワンガが太古の巨大なジャングルならば、ここは地の果てと言えるだろう。
【カ行】
【 オウカンガエル】(Xenopus-clown)
4肢の指の形から王冠を連想することに由来する。
分布はティアナワンガのほぼ全域。
湿気の多い場所を好んで生活する。
特にスコールの後などは活動が活発になるので、頻繁に目撃することが出来るようになる。
孵化した時はオタマジャクシの形態だが、成体になるにつれて写真のような形になる変態動物。
長い舌で小さな昆虫等をつかまえて食べる。
【オーディン・フォール】(odin-fall)
ティアナワンガの水源を司る巨大な断層型の滝。
落差230m、幅1600m、滝壺の深さ200m。
毎分約2億4000万リットルの流水の落下音から、《声を奪う滝》《音を奪う滝》などと呼ばれることもある。
周囲のグランドキャニオン型の地形から、かつてこの地に別の大河の流れがあったと考えられている。
数億年の大河の浸食作用によりこの地が形成され、後の大地震によって断層が産まれこの巨大な滝を出現させるに至った。
恵みと恐れの象徴であり、ティアナワンガに生きるものたちの信仰の対象でもある。
その力強い流れは今尚土地を開拓し続けている。
【イチゴハマガニ】(Strawberry-beach-crab)
分布は成体がトトスコス岬近辺、幼体がイチゴ谷。
雌は産卵期に海から上がり、ティアナワンガの中にある〈イチゴ谷〉で産卵する。
孵化した幼生は幼生期から稚ガニ期を経て、外骨格(殻)が丈夫に成型されるまでをイチゴ谷で過ごして後、海を目指して旅を始める。
また、甲羅の苺模様はこの期間に保護色として定着してしまう。
明確な区別はないが、この苺模様が定着し、トトスコス岬にたどり着いたものを一般的に〈成体〉と呼んでいる。
食性は雑食で多岐にわたるが、成体は海藻を特に好む。
【ア行】
【ヒグモ】(Flare-Spider)
洞窟の中にのみ生息する蜘蛛。
腹部の赤色の帯が特徴。
他のクモ目と同じように糸で網を張り、獲物を仕留める。
雑食。昆虫から大型動物まで何でも食べる。
肉類に限らず、洞窟内の苔類も摂取する。
また獲物がない時は、張り巡らせたクモの巣に絡み付く水滴を舐めて空腹を凌ぐことが出来る。
ヒグモはかつて善と悪の両面を併せ持つ神だったが、糸を巧みに使い他の神々を冒涜するタペストリーを織ったため天界を追われ、洞窟に住まう者になったという。
【ビコー】(Biko)
リスの一種。
ビコーというのは単体の名称を表すのではなく、種全体の呼称。
別名(彦)。日本書紀のスクナビコナから名前をとっていますが、本編とは何の関係もありません。また、その名前から(やまびこ)を連想させる。
【ビコーとカオワブの樹】
ビコーはその一生のほとんどを樹の上で過ごし、地上に降りる事は滅多にない。
ティアナワンガにはクヮンカウ・マー・カオワブの樹に代表されるような大樹が沢山あり、またこれらの樹は水分を豊富に蓄えている。
おそらく、樹の内部(膨らみの部分)は池のようになっていて、ビコーたちはこの中をプール付きの家のように使って暮らしている。
天空のもの、地上のものからなるティアナワンガにいて、唯一その中間に住むものと言えるだろう。
【 チェスター・フィールグッド】
フィールグッド教授/アーモンド大学民俗学教授。リトルエルフ族研究の第一人者。1970年代より本格的にリトルエルフの研究を始め、2011年より具体的に現地調査を行っている。著書に『小人の民俗学』『知られざる森の医学』『民族世紀』など。
また、民族歴史学の見地からティアナワンガ森林地帯を調査した『ティアナワンガ幻想記』はベストセラーとなった。
現在、リトルエルフ族に密着取材を敢行した『ロビンフッドたち』を調査執筆中。
リトルエルフによるグリーンタイツ賞受賞(2001年)/アーモンド・オブ・ザ・イヤー(2002年)/民俗学交流大使(2003年認定)/シャーウッド・ロック・フェスタ主宰、ほか。
【蛇の眼】(Snake eyes)
洞窟内の壁面に空いた横穴の入り口の呼び名。涙の回廊の壁面にも無数の横穴がある。正に蛇のように曲がったトンネルが絡まるようにこの横穴から伸びていて、岩窟の王者ミューロンでさえ、このトンネル群の全貌は明らかに出来ない。足を踏み入れたが最後、引き返す事はない。
ティアナワンガが《生》を司るならば、洞窟(虫食い穴)は《死》を司ると言えよう。
ここはもうティアナワンガではない。
【マ行】
【ミューロン】(Murron)
虫食い穴の中に住む岩窟の牙王。SANTIE同様王になることを許された、彷徨える暗黒の散策者。岩窟に生まれ岩窟に育った。勿論ティアナワンガの存在など知らない。
【ムィ・クライシスタ・コスタ】(Mui Craishista Costa)
ティアナワンガ北東に位置する神殿のような場所。
超古代に自然淘汰した生物の化石。
ほぼ完全な全身骨骼であり、死して尚その威厳を保つかのようである。
この巨大な神に見おろされれば、いかなる生物といえどこの地で争うことは出来ない神聖な場所である。
ティアナワンガに住む生き物たちは、暗黙のうちにこの掟に遵っている。
ムィ・クライシスタ・コスタ(万物の起源場所の意)はこの地を指し、今や死骸となっているこの生物を《パピヨン》と我々は呼んでいる。
ティアナワンガの前期において栄華を誇った種。
また、この巨大な種族が絶滅した直接的な原因に、《ラスト・バタリオン》と呼ばれる種の台頭があったという説がある。《ラスト・バタリオン》はパピヨン種を滅ぼした後、海(トトカナンガ洋)を渡ったとか或いはグレートウォールを超えて文明を築いたなどとまことしやかに囁かれているが、学術的な信憑性は極めて薄い。
【虫食い穴】
【洞窟】(worm hol)の別名。
【マ行】
【ラ行】
【ラーマ】(Rarma)
推定年齢不明のアーケロン。
本来の生息地は海(トトカナンガ洋)だが、地下水脈に迷い込みおそらく何万年も住んでいる。洞窟に住まう生き物のうち、唯一外界を知るもの。4肢のうち1肢が失われている。過去の壮絶な格闘の末失われたものと思われる。
通常は何百年も水中で眠っているため、その姿を見たものは皆無に等しい。
【ワ行】
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